募金コンサートに向けて ~中野真帆子さん~

 11月4日の「フェリス女学院創立150周年募金コンサート」では、中野真帆子さん(34回)をソリストに迎えFグループアンサンブルとともにピアノ協奏曲が演奏されます。現在フェリス女学院大学音楽学部教員も務めており、パリにも拠点を置き国内外でご活躍の中野さんからのメッセージをお届けします。

 夢見るような旋律と瑞々しい感性に彩られた、若きショパンによる初めての協奏曲は、私の大好きな作品~様々なピアニストとオーケストラによる名演が世界各地で繰り広げられていますが、今回、名倉先生率いるFグループアンサンブルと共演させて頂くことで、既成の概念にとらわれない、フェリスらしいハーモニーで表現できればと思っています。午後のひととき、ショパンの詩的でロマンティックな音の世界にじっくりと浸って頂けますように。

 写真は、パリでショパンのコンチェルトのソロ・ヴァージョンを弾いているところです😊


※一部の著書およびCDを当日会場にて販売します。

●ショパン ピアノ協奏曲 (第2番) ヘ短調 op. 21

 1829年から翌年初めにかけて第1番(ホ短調)よりも先に書かれたショパン最初のヘ短調ピアノ協奏曲は、1830年3月17日にワルシャワで作曲者のピアノ独奏により初演されました。当時ショパン20歳。多感な青春期、初恋の想いを秘めた感情の揺れと表情豊かなピアノ書法で深い表現を湛えた傑作です。
 古典派からロマン派への過渡期にあるショパンのコンチェルトのオーケストレーションには様々な謎があります。歴史的資料や初演当時の復活演奏に着目したり、新しい解釈で現代的編曲が作られた1990年代から、管弦楽曲であるはずの協奏曲がピアノと室内楽編成で演奏され始め可能性が拡がりました。今回の演奏スタイルは大変稀少です。華麗なピアノはもちろんのこと、指揮者がいない音空間での奏者相互やりとりの面白さ、美しい旋律の伝わりやすさ、といった新たな魅力を感じ取っていただきたいと思います。

 I. Maestoso 協奏風変則的ソナタ形式。長い前奏の後にピアノが超然と登場。
 II. Larghetto ノクターンの先駆。友人宛の手紙によれば初恋のコンスタンツィアへの想いを表現。
 III. Allegro vivace オベレク(oberek, “回転”を意味する、ワルツよりもテンポの速いポーランド民族舞踊)のスタイル。コーダを含むロンド風形式。

 遺作のノクターン(嬰ハ短調)として有名な「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」には、この協奏曲からの断片的なモチーフが引用されています。