募金コンサートに向けて ~小清水桃子さん~

 11月4日の「フェリス女学院創立150周年募金コンサート」は、小清水桃子さん(55回)のオルガン演奏で幕開けします。現在Fグループ役員も務めており、合同発表会や昨秋の研修会でも大変素敵な演奏を披露してくださいました小清水さんからのメッセージをお届けします。

 フェリスホールには今から28年前に建造されたドイツ・バロック様式の本格的なオルガンが設置されています。たくさんのパイプが林立し、至る所に施された美しい彫刻や、パイプ一本一本の繊細且つパワーのある響きは、圧倒的な存在感を放っています。学生時代、この大きな楽器に心や身体が負けてしまいそうになることもありましたが、年月を重ねるにつれ、次第に寄り添うことができるようになりました。この素晴らしいオルガンで学べたことは私にとって大きな糧となっています。
 今回はこのオルガンに最も適しているJ. S. バッハの作品を演奏します。音が持続することで生み出されるオルガンならではのハーモニーをより深く楽しんでいただけると嬉しいです。

 1989年にフェリス女学院大学では短期大学音楽科から4年制音楽学部への移行が行われ、1990年の120周年記念事業として山手のフェリスホールに18世紀北ドイツ様式のオルガンが設置されました。このオルガンは米国ヴァージニア州のテイラー&ブーディー社 (Taylor and Boody Organbuilders)によって建造され、基金面で貢献された故・石井千明元理事長のお名前を冠して《石井記念オルガン》と命名されました。フェリスホールのオルガンの中には2871本のパイプが収まっています。

(※以下演奏曲の解説は、2013年11月18日付FグループFacebookページからの引用改訂。)

●J. S. バッハ: 幻想曲とフーガ ト短調 BWV 542

 楽器の起源として2600年もの歴史を誇るオルガン、その黄金時代――1693年に制作されたハンブルクの聖ヤコビ教会のアルプ・シュニットガー・オルガンはオルガン最高峰のひとつに挙げられます。名ビルダーの名器は、戦災を経て第二次大戦後再構築されたものの制作された当時の素材の8割を残して現在に至ります。1720年、この教会の専属オルガニストの死後、バッハは後任に志願しました。実現はしませんでしたが、その時に試験演奏されたのがこの作品。
 5部から成る雄大な構成の幻想曲は、バッハ作品においてクラヴィア用「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調」(BWV 903)と並んで称される名曲です。印象的なフーガ主題はネーデルランドの古い民謡に基づいており、ラインケンやブクステフーデ等北ドイツオルガン楽派の伝統の流れを組むヴィルトゥオーゾな大フーガ。有名な「フーガ ト短調」(BWV 578) が「小フーガ」と呼ばれるのに対して、こちらは「大フーガ」と呼ばれています。