募金コンサートに向けて ~Fグループアンサンブル~

 11月4日の「フェリス女学院創立150周年募金コンサート」においてプログラムの大半を支えるFグループアンサンブル。メンバーの意気込みを伺いたかったのですが個人では語れない部分もあると思い、演奏者からのメッセージに代えてFグループアンサンブルの前身と歴史を簡潔にご紹介します。

 1957(昭和32)年、岡崎光子さん(11回)ら当時フェリスの高校生数人が短大助教授の大宮真琴先生(1924-1995)に合奏指導を依頼したことから器楽の部活動として始まりました。初代指揮者は高校生でその後音楽学の先生になられた中内詢子さん(2005没)。1960年には中高と短大が合わさって《フェリス弦楽合奏団》として弦楽合奏の指導教育が大宮先生により本格的に開始され、この年の秋、ヴァイオリンの久保田良作先生(1928-1997)やチェロの清水勝雄先生(1923-2002)らの尽力で県立音楽堂での創立90周年記念演奏会に臨みます。1962年には初の自主演奏会も開催されました。所属を超えた幅広い世代の自主的活動は、その後中高オーケストラ部の活動と短大のアンサンブル(弦楽合奏・室内楽)講座へと受け継がれました。
 1990年、短期大学音楽科から音楽学部へ移行する際「フェリスの弦の響きを絶やさぬように」と願いを込めて、弦楽専攻の卒業生有志により《Fグループアンサンブル》が結成され新たな歩みを始めました。久保田先生亡き後、1998年からは久山恵子さん(2014年没)が指揮をとり定期的に演奏会を重ねます。2015年に名倉淑子先生を迎え、学部卒業の新メンバーが多数加わったことで、《Fグループアンサンブル》は次の世代へと引き継がれ意欲的な演奏活動を展開しています。

Violin: 名倉淑子(CM.名誉教授) 伊郷彩花(56回) 犬飼美奈(48回) 内山和江(39回) 菊地理恵(63回) 篠原純子(24回) 鶴田枝里(54回) 鶴丸ちひろ(55回) 寺尾美紀(38回) 中川里奈(48回) 原田せな(62回) 平野京子(57回) 平山智子(55回) 藤林 友(56回) 増田留璃香(61回) 三宅彩乃(63回) 森田綾乃(62回) 吉田牧子(39回)
Viola: 田村しおり(50回) 二木美里(57回) 山田典子(55回) 齋藤 彩(賛助)
Cello: 井上雅代(講師) 佐山麻利子(56回) 浜崎佳恵(dip) 浜辺容子(40回)
Cb: 渡辺恭一(賛助)

●シューベルト:弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D 810 《死と乙女》

 シューベルト(1797-1828)は生涯に15曲の弦楽四重奏曲を残していますが、1824年に作曲されたこの曲はその中でも最も人気の魅力的な傑作でシューベルト代表作のひとつです。第2楽章の変奏曲主題に、病の床に伏す乙女と死神との対話を描いた歌曲《死と乙女》(Der Tod und das Mädchen, op. 7-3, D 531 / 1817年作曲) の前奏コラールが用いられたためこの副題がつきました。リートにおいて暗示することしかできなかったものが弦により雄弁に語られて、交響曲への道を探った作品とも言えます。すべての楽章が短調で、悲哀と情感が全体を支配する、シューベルトの魅惑的なロマンティシズムを弦楽合奏でお楽しみください。

 I. Allegro ソナタ形式 強烈な冒頭主題は歌曲伴奏にも使われた運命的動機
 II. Andante con moto  《死と乙女》前奏コラールによる変奏曲
 III. Scherzo. Allegro molto 情熱的なスケルツォと甘美なトリオ
 IV. Presto ロンド・ソナタ形式 緊迫したタランテラ風リズムに乗って疾走する劇的なフィナーレ